ビジネス情報掲載記事(令和8年4月1日号)-お知らせ
備後の経済情報誌「ビジネス情報 令和8年4月1日号」に載りました。

(本文)
「リーダー成長の第一段階」
人生において、独自性を持って生きられるのは幸せなことです。
特に、経営において独自性を持つことは大変有効な経営戦略です。
これらのことは、経営者であれば当然ご存知のことと思います。
他との違いを出すことは非常に大切です。
しかし経営者は往々にして、他との違いを出すことに目を向けすぎてしまう傾向があると思います。
会社の売上規模や社員数、顧客数などで違いを見せようとするのです。
これはマウントを取るための差別化に見えます。
それによって顧客の感覚から、はるかに遠くへ離れてしまうのです。
そこで、これに対する教訓として、易経の中に「乾為天」というものがあります。
まさに、帝王学と言えます。
少しその内容をお話ししたいと思います。
龍の成長の物語ですが、その成長は六段階あります。
天下を治めるリーダーの成長プロセスとも言えます。
そもそも、龍という生き物は雲を呼び、雨を降らせる能力を持っています。
恵みの雨を降らせることで、地上の万物を養う生き物として、龍はあがめられています。
龍の成長六段階のうち、最初の一段階は「潜龍」と呼ばれます。
潜龍とは、龍であってもまだ知識も経験もなく、もちろん地位や実力、人脈など実質的なことは何も備わっていない状態です。
易経に「潜龍用いるなかれ」と書かれています。
それは、「潜龍を世に用いてはならない」。そして、潜龍自身に対しても「焦って世に出ようとしてはならない」という意味があります。
龍は一〇〇〇年の間、水底深い淵に潜み、「確乎不抜」の志を立てるのです。
むしろ、潜龍の時だからこそ、志を立てることができるのです。
ですから、他人が自分のことを認めず、無視さえされても、自分の確固たる志を立ててゆけば良いのです。
他人に馬鹿にされても、無視されても「揶揄された」と憤慨し、叫ぶのは浅はかです。
自分に力が無い時には、未来に龍となり、雲を呼び、恵みの雨を降らせ、万物を養うことを思い描きながら精進することが大事です。
もっとも、そのような状態ではストレスが非常にたまるでしょう。
そこで、若い潜龍の皆さま方に良い言葉があります。
「龍が淵に潜むは、天に昇らんがため」
まだまだ、力が無くて世に出られない時、慌てて「ハッタリ」を使ってもすぐにメッキが剥がれてしまいます。最後は、全てを手離すことになってしまいます。

