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ビジネス情報掲載記事(令和7年10月1日号)-お知らせ

備後の経済情報誌「ビジネス情報 令和7年10月1日号」に載りました。

(本文)
「依存の落とし穴」
私たちにとって「智慧(ちえ)」を持って生きることは、とても大事です。

智慧と真逆の言葉に「ステレオタイプ」があります。
ネットで調べると、その意味は「ある属性(性別、国籍、職業など)を持つ人々に対する、社会的に共有された固定観念や思い込みや先入観のこと」とあります。
国を守るという意見に対しては「あいつは右翼だ」、外国人の犯罪問題を話すと「あいつは外国人排除者だ」、人間としての根本的な話をしようとすると「怪しぃ」と相手にレッテルを貼って、決めつけてしまう現状があります。
世間では“アルアル”の話ですよね。
「あの人はポピュリストだから」とか、真面目な話をしようとすると「真面目か!」とオチャラケた雰囲気にされてしまいます。真面目な話ができない世の中だと感じているのは私だけでしょうか。

さて、少し話がズレました。
「智慧」を出すには、現実を把握していない状態では絶対に無理です。
ですから世の中の風説に乗ることは、大損をしがちです。
「あの人が言ったから」と、追随するのはステレオタイプの最たるものでしょう。
もはやこうなると、「教祖様」「占い師」「預言者」「超能力者」を絶対視する「妄信者」の出来上がりですね。
とても恐ろしい事です。

例えば経営計画を立てる時にも、ある風説があります。
「経営計画は『欲しい利益』を後ろから逆算する」というものです。
本当に、そうだろうかと疑って考えてみました。
その結果、私は「そうではない」と思いました。
私は固定費から考える必要があると思っています。
売上がどうなるか、限界利益がどうなるか、予言できる人はどこにもいません。
しかし、固定費は簡単に誰でも予測できる数字です。
 
おおたち会計では、30年前から固定費を予測して数値計画を行っています。
固定費は「固定」FIXED COSTS(フィックスドコスト)と呼ばれています。
しかし、固定費は未来永劫固定されたものではありません。
固定費の中で一番大きいものは人件費です。
例えば、最低賃金が政府の提言する1,500円になったらどうなるか。
仮に、最低賃金のフルパートさん1,085円から考えると415円アップになります。
年間に直すと、415円×8時間×250日ですと83万円アップします。
これが、50人ですと83万円×50人=4,150万円のアップになります。これに社会保険の15%を乗せると4,772.5万円のアップです。
その他の人件費を加味しますと年間5,000万円のコスト上昇をカバーするための戦略が必要です。
ですから、経営計画で重視すべきなのは、人材育成から逆算した固定費計画になるのです。
利益計画は、真ん中から決めていくことが大事なのです。
世の中の風説通り「自分が欲しい利益」から逆算していくと、いつまでたっても目的・目標は達成されず、社員に対する不満の解決ばかりに意識を奪われます。
経験上、多くの会社がそうなっているのです。
人材教育訓練は目的・目標に合わせた自社独自の方法でないと効果を出しません。ましてや、評価のための人事評価システムは成果を出さない事が多いと感じています。

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