ビジネス情報掲載記事(令和7年5月1日号)-お知らせ
備後の経済情報誌「ビジネス情報 令和7年5月1日号」に載りました。
(本文)
「時間の落とし穴」
経営の中で、重要な資源は何でしょうか。
ヒト・モノ・カネの三大要素があります。
しかし、私が思う重要な経営資源は時間だと思います。
矢沢永吉さんの歌「時間よ止まれ」は、若い方にはご存知ない人が多いかもしれませんね。
これは、ただ単に私が好きな歌というだけです。
時間については、昔から言われている事があります。
「タイム・イズ・マネー」という言葉は誰でも聞いた事があると思います。
時間はお金と同じように貴重であり、無駄に過ごしてはいけないという戒めです。
公式で表すと、「時間=お金」となります。本当にそうでしょうか。皆さんはどう思われますか。
私は違うように思えてならないのです。
私が思うのは「タイミング・イズ・マネー」です。
タイミングとは、機会の事を意味すると考えます。
具体的に言いますと、日本には春夏秋冬という四季があります。
作物を育てる農業を例にとってみます。
冬至の12月20日前後に畑を耕して、種をまき、水をやる人はいないと思います。
仮に、それをやっていると人からはどうしたんだろうと思われるはずです。
土を耕しても、翌日には霜が降りて固くなり、種をまいても時期を間違えればうまく育ちません。
水をやると凍ります。
この場合は誰が見てもはっきり分かります。
しかし、この世には目に見えない因果がたくさんあります。
この因果を法則とか、原理原則と呼んでいます。
例えば、値段によって消費者が購入意思意欲を失う価格があります。
価格が相場の1.3倍の値段になることです。
いくら、値上げをしても顧客が購入してくれるという願望があっても、この数値以上に上げてしまうと極端に顧客数は減少します。
それ以外にも、投資すべき時期というものが人によって変わってきます。
人間のバイオリズムというものにヒントがあります。
思った時が吉日か、そうであるか否かは分かりません。
私たちの一生の中で何度も適切なタイミングは必ずあります。
そして、人は何かと悪くなったり、苦しくなると慌てます。
しかしその時が、動く時ではない事が結構あります。
時間を大切にするとは、自分が今、何をすべきかが明確であるということです。
例えば、苦しい時は、間違いなく考える時です。
そこから、早く抜け出たい気持ちは分かります。
しかし、人間は苦しい状態でないと、何事もいい加減に考えたり、人の話を鵜呑みにします。
自分のバイオリズムが分かるとチャンスを見つけられます。
乗って良い話と乗ってはいけない話が見分けられます。
継続が命とばかり、のべつ幕なしに頑張っても時期がずれていれば成果は出ません。
占い師に頼って「これは間違いない」と言われた事に手を出して、致命傷を負います。
一度だまされると、時間とお金を失います。気をつけて下さい。