ビジネス情報掲載記事(令和7年3月1日号)-お知らせ
備後の経済情報誌「ビジネス情報 令和7年3月1日号」に載りました。

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(本文)
「意思決定の落とし穴」
2025年、今年に入って大きく世の中が変わっていると感じるのは私だけでしょうか。
変わると言っても、良く変わるのか、悪く変わるのか、どう変わるのかは分かりません。
昨年、日本の総理大臣が変わって以来、世の中の変化を感じます。
それと同時に、テレビの情報が「なんか変」と感じます。
子供の頃には、TVで見た珍しい情報を友達に伝えると、友達は「嘘じゃろう、そんなわけないじゃん」と言いました。
「でもTVが言うとったんよ」と言うと皆が納得しました。
昔は、総理大臣は嘘を言ってはいけない、TVの情報は正しいという常識がありました。
今年に入って、それらの常識が音を立てて崩れています。
さて、「人は考える葦」と言われます。しかし入ってくる情報が嘘だと、いくら考えても正しい答えは出ないのです。
すなわち、ロジックが正しくてもインプットが間違っていれば答えは間違えます。
従来の常識・体制が大きく崩れているように思います。
トランプ氏のアメリカ大統領の就任も大きな要因です。
今度は、参謀にイーロン・マスク氏がついています。
マスク氏は、自分に近い考えを発信する手段としてツイッター社を買収しました。
かつ、スターリンクという数千基の衛星網も持っています。
誰が正しい事を言っているのか、嘘を言っているのかが分からない状況です。
われわれは、正しく現実を見ないで、正しい判断を下すことはできません。ましてや、人が言う事をそのままうのみにするのは軽率です。
では、われわれは何を見て、聞いて、感じて判断すればよいのでしょうか。この答えのヒントになるのが、昔のことわざです。
「下手な考え休むに似たり」という言葉です。
囲碁や将棋では、下手な人が長考しても時間を浪費するだけという意味です。
それでも人間は考えます。
そして「これだ」と考えたことが、より状況を悪くすることがとても多いのです。
企業で言えば「要らん事をせんかったら、きっと優良企業になっとったのに」という事態が発生してしまいます。では、どうしたら良いか。
やはり、昔のことわざがあります。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉です。
私の解釈では、人事を尽くすとは、一つの理想に向かって、考え、行動して「前進」していく姿だと考えます。そして、天命、それは、「直観」です。
決して顔を下に向けて「うーん、こんなん出ました」という思いつきではありません。
天命を待つとは、天の使命に従い実践し、直観を受けるということだと考えます。
この話をしていますと、つい思い出す本があります。
それは、木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」です。
正しい生き方を貫いた末に、リンゴは自然農法では不可能と言われていた常識を覆してしまったのです。小金作りを主にすると、人はだまされやすくなりそうです。
理想に向い、正々堂々と生きる事が天の直観を得ることにつながるのではないでしょうか。