ビジネス情報掲載記事(令和6年9月1日号)-お知らせ
備後の経済情報誌「ビジネス情報 令和6年9月1日号」に載りました。
(本文)
「ヤル気の落とし穴」
経営に関する悩みというものは尽きないものです。
よその会社に優秀な社員がいると、「うちにも、あんな社員がいればなぁー」と思う方は多いのではないでしょうか。
多くの社長様は理想の社員として、「やる気のある人」を思い描いていらっしゃいます。
そして、「うちの社員はやる気がない」と言われます。
「最近の若者はやる気がない!」と言われる方も。
しかし、本当にやる気がないのでしょうか。
本当はやる気はあるけれども、やる気を出せる環境がないだけではないでしょうか。
本来、人間は生きている限り必ず欲求が働くものです。欲求がないと死んでしまいます。
そこで、やる気になれる組織とは何かを考えてみます。
一般的に、単なる人の集まりを“集団”と言います。
集団に目的を持たせると組織になります。
簡単に言いましたが、組織には目的を果たすための秩序だった体系が必要になります。
単純に人の集団を職能別に分けたら組織になるのか?
残念ながら、それでは人の集団が単に分断された状態になっただけになります。
人間の身体で言えば、手足や内臓に例えることができます。
各部分は全体を構成するけれども、全体最適を調整する判断機能と神経が必要になります。
目的は最高判断機能であり、各部分が全体最適の判断機能を持つ必要があります。
人がやる気を出すためには、全体最適につながる判断基準を持つことが大事です。
例えば、製造部門が「製造部門は効率的に製品を完成させること」と規定すると、組織では大問題が起きます。
製造部門も経理部門も会社全体の方針を達成するために存在します。
したがって、全社的な方針を各部門が知っている事が必要です。
それが、自部門内の事だけをやっていればいいと考えるとセクショナリズムが発生し、組織は壊れ、生産性は下がります。
各部分が会社全体の方針を熟知して、そこに活動を合わせる事が大事なのです。
自部門の事ばかりを見るのではなく、上を見て活動をすることが大事です。たまに、会社の方針を知らなくても自分のやるべき事をやっていればいいと思われる方もいらっしゃいます。
素人考えでは、そう思われても仕方のないことです。
入社して、自分は何のために、どのように仕事をすれば良いのか全く分からない。
上司は現場で忙しく働く、どこかへ芝刈りに行って不在。
先輩方も仕事で精いっぱい。
何もすることがない新人が会社の戦略を考えているという事態が発生します。
これを本末転倒と言います。
入社して、組織の中でできる事が増えて組織に貢献し、それに伴って豊かになり、次に入社してきた新人を育成できる会社。
充実感溢れる会社ですよね。
大立会計の経営塾でそれができるようになります。