ビジネス情報掲載記事(令和6年8月1日号)-お知らせ
備後の経済情報誌
「ビジネス情報 令和6年8月1日号」に載りました。
「経営で何かを得る時の落とし穴」
経営で何かを得たいときが、きっとあります。
お金や物を得たいということもあるでしょう。
名声を得たいという場合もあるでしょう。
世の中を変えたいという気持ちもあるでしょう。
大事なのは、どのような経営をするのかということです。
経営の神様ドラッカーさんは、会社の成長は徐々にではなく、飛躍すると言っています。
飛躍とは、昨日の会社と明日の会社は全く違う会社になるということです。
何が言いたいかといいますと、会社の成長には中味の変容が必要であるということです。
会社を良くするために、他の企業のやり方の真似をすることがあります。
他の会社の経営方針書やツールをまねることもあります。
しかし、まねても表面上のコピーではうまくいきません。
ある国では、他の国の新幹線、自動車、半導体の技術をまねしても、自分で進化させることができないという例がありました。
私がコンサルタントで関わってきている、あるグループ会社があります。
かつては、年商四億円で頑張っていらっしゃいました。
十五年ほど関わらせていただいていますが、現在は年商五三億円の会社に成長されました。
この会社は、他社の人事制度、経営方針書やツールをまねる事もありませんでした。
先日、この社長からご相談がありました。
「先生、方向転換のために○○の付加価値部門をやりたいのですが、どう思われますか?」
私は「そうですね、今の付加価値額が倍になると利益はいくらになりそうですか?」とお答えいたしました。
この会社様は売上高経常利益率10%を達成しています。
仮に付加価値率が50%であれば、五三億円の1/2の二六・五億円の増益になります。
社長様は直ぐに理解されたようです。
今の事業が衰退するからという危機感は大事です。
しかし、自分がやれそうだから、やってみたいから、ちょうど今やれそうな会社が売りに出されているから、などの発想ではうまくいきません。
この会社様は、まだ小さな会社の時に全社一丸でランチェスター戦略を実行されました。
その戦略で、経営の基盤を作られたのです。
何かを得たいときには一擲(いってき)が必要です。
成果を出すために、「そんなことは知っている、分かっている、もうやっているから」という言葉を発していませんか?
一擲とは、すべてを投げ打つということです。
自分の今までの考え方を、投げ打って、ゼロから受け入れる覚悟が必要です。
「そんなことは知っとるわい」では得るものが無くなります。
買っても意味のない会社でご苦労していませんか。
ただし、税理士は儲かりますよ。