ビジョン実現に重要な経営指標は労働分配率-企業の知恵袋
福山市の税理士・社会保険労務士
ビジョン実現パートナーの
大立稔(おおたちみのる)です
さて
経営数字を把握するうえで重要な
分析数値があります
それは
「労働分配率」のことです
労働分配率は
人件費 ÷ 付加価値(限界利益)
で算出されます
何を意味するのでしょうか
企業が生み出した付加価値を人件
費に何%分配したかという指標です
ここで付加価値という言葉と限界
利益という言葉があります
まず付加価値という言葉ですが
企業が新たにつけ加えた価値と
いう意味です
例えば
卸売業が仕入れたものに利益を
加えて売却します
なぜ
仕入価格よりも高く売れるので
しょうか
それは
仕入れたものに新たに価値を付け
加えたからです
ではそこにはどんな価値があるの
でしょうか
思いつくままに書いてみます
① 仕入れる手間が省ける
② よい品質のものを選択できる
③ 倉庫で在庫する
④ スピードよくデリバリー
⑤ 自分で仕入れるより安い
⑥ 運送サービス
⑦ 少ない量で取引できる
⑧ 営業マンの情報サービス
⑨ 信用取引できる(買掛金)
⑩ メーカーと直取引できない
というような価値がつけくわえ
られているのです
これらの価値が換金されて付加価値
として認識されます
そして
これらの価値をつくるためには従事
する人の費用が必要になります
これを人件費と言います
この時に
付加価値額に対する人件費額はいく
らが適正なのかが気になりますね
そうです
そこが重要な視点なのです
過去の
経験数値の流れから言われる
労働分配率の適正値があります
それが50%です
労働分配率が50%を超えて上昇
するにつれて企業は倒産に向か
うと言われています
ここで50%についてですが他の
考え方があります
もう一つの考え方は企業の付加
価値を人件費と会社で山分けに
するという考え方です
儲けのもとの利益(付加価値)
を人と会社に同等に分配すると
いう考え方です
人件費の枠を付加価値の50%で
決めてしまう考え方があります
人件費枠がルールとして固定化
されます
税引前当期利益ですと急な節税
で圧縮されてしまう可能性があ
ります
しかし
その手前の付加価値で人件費枠を
固定化すれば社員さんは安心でき
ます
社長も付加価値額から50%を控除
したものでその他の経費を支払う
とすれば無駄使いできません
社員さんの感覚では自分で自分の
給料を決めることができると感じ
るのではないでしょうか
そして
人件費総額 ÷ 人数が分配額に
なりますので少ない人数で業務が
こなせる知恵を出しやすくなります
「知恵を絞れ」といっても何をどの
ようにすればよいか分かりませんね
何をどれくらい頑張るのか明確にする
必要があります
3000万円の人件費予算で一人で仕事を
すれば3000万円のの分け前です
3000万円の人件費予算で二人で仕事を
すれば1500万円ずつの分け前です
3000万円の人件費枠で3人で仕事を
すれば1000万円の分け前です
3000万円の人件費枠で6人で仕事を
すれば500万円の分け前です
3000万円の人件費枠で10人で仕事
すれば300万円の分け前です
仕組みを作って知恵を使えば6倍の
生産性になります
これ本当の話です
やってもやらなくても一緒であれば
手を抜く方に向かうのは明らかです
昔
共産主義という経済制度がありました
皆
平等の報酬であれば手を抜いた分が
自分の儲けと考えるようになります
一人でも
そういう人がいますと
あっという間に伝染してしまいます
ちなみに
労働分配率は別の指標があります
人件費倍率です
付加価値額÷人件費=人件費倍率
つまり
人件費総額でその何倍の付加価値額
を生み出したかという指標です
これは
あまりみかけません
なぜなら
私が考えた指標だからです
これぐらいの指標なら誰でも
考えられると思います
労働分配率が50%であれば
100÷50=2倍となります
つまり
企業が人件費額を投資してい
くらの付加価値額が得られた
かの指標です
さて以上のことから
健全な会社でいようとすれば50%
をわが社の労働分配率の基準値と
決めることです
その
50%をどうやって死守するかが知恵の
出しどころなのです
最後までお読みいただきまして
ありがとうございます