分からない事が分かっていない人は、分からない事を分かっているという絶対的自信を持っている-企業の知恵袋
福山市の税理士・社会保険労務士
ビジョン実現パートナーの
大立稔(おおたちみのる)です
会社の数字は
人がつくるもの
普通の社員が
天才の仕事をする仕組みを
つくることが飛躍の一歩です
ビジョン実現パートナーが
社長様とご一緒に
仕組みを作り人財を作ります
今日
職員さんから質問がありました
初めの段階では
何を言っているのかが
私には理解できないのです
概略を説明しますと
社長個人が会社から車両を購入
するというお話です
売却損が出ているんですが
それが役員給与とみなされるか
どうかの相談だということです
これを
延々と物語を語り始めます
売却損がみなし給与になる
ことを社長に話すんですがと
しどろもどろの説明です
〇〇君
問題を一言で言ってみてくれる?
いえ
問題ははっきりしています
では
はっきりと問題点を教えてください
えーですから
社長に売却した車が売却損が
出ましたのでこれをどう処理
したらいいのかの相談です
別に売却損が出たらそれを
どう処理するかは〇〇君が
考えることじゃないかな?
仕訳は分かりますよね?
ええ
それは十分わかるんですが・・・
相談の内容が見えないのです
自分がどこが分かっていないかを
突きとめずに相談に来ているのです
〇〇君
質問変えるね
何が分かっていないから前に進まない
のかな?
その場で
あーでもないこうでもないと
押し切ろうとします
〇〇君
僕もやることがあるので
あなたの考える時間につき合えない
ので自分の席で考えをまとめてね?
いやー
問題はキチンと頭の中に
あるのですぐに答えます
しかし時間をかけます
御免
やっぱり自分の席で考えて!
自分が何が分からずに困っている
かをじっくり考えてね
彼はきっと”適正な時価”がいくらか
がはっきり分からないから社長に
説明のしようがないのだと思います
そして
数分経って相談に来るのですが
やっぱり
「えー売却損が社長のみなし給与に」
と同じことの繰り返しです
〇〇君
君が分かっていないのは
適正な時価が解ってないのでは?
ははは
それは十分に分かっています
そんなところではありません
適正な時価が分かっていれば
社長への説明はそれを根拠に
簡単に説明できます
じゃあ
聞くけど適正な時価って何?
根拠条文も持ってきてね
持ってきたのは
減価償却後の帳簿価額が
時価ですとのことです
しかし
もう一つ市場価格としての
時価があることは飛ばしています
時価の説明で査定価格というのが
ありますがそれはいくらですか?
それは
社長に聞いたら査定はしてもらって
ないので分かりません
分からなくても
市場価格があるのならそれを
入手すべきでないの?
でも
ここに帳簿価額の通達が
ありますから
なるほど
じゃあ〇〇君の言う時価は全て
減価償却後の帳簿価額でいいの
無言です
結局
時価について検証担当の先輩から
もらった参考意見を
そのまま鵜のみにして時価を
語っているのです
この先輩は絶対に正しいからという
前提で仕事を方向づけています
これでは
適正な時価は〇〇円ですから
この売却損は社長に対して安価に
提供したことになり給与と認定
されますという説明が
どうしてもできないのです
絶対に正しい先輩が言った事
先輩が言った事だから自分には
責任はない
そんな気持ちがあったのかも
しれません
取引をキチンと紐解いていくと
何ら問題はありませんでした
ただ本当の問題は
先輩が問題になるかもしれない
という指摘を問題があるものと
いう前提で進めたことです
適正な時価の概念を
調べつくさずに先輩の意見と
符合するところだけを拾い
だして語っていることです
何が問題かを自分で考えずに
受け売りで処理をするのは
危険です
しかし
誰でも犯しやすい事でもあります
そのために
事務所の処理体制を180度変えて
います
からこそ
こういった問題が発見できるのです
ミスをしない人間は絶対にいません
しかし
そのミスを防ぐ仕組みを作れば
防ぐことができます
事務所の外に成果物が出ていく
前にミスを発見することができ
ミスをした本人は学びを得る
ことができます
これで
社員は成長してくれています
最後までお読みいただきまして
ありがとうございます