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「使命感」だけでは経営はうまくいかない

ビジネス情報掲載記事(令和7年9月1日号)
備後の経済情報誌「ビジネス情報 令和7年9月1日号」にコラムが掲載されました。

From:大立 稔

人生で「使命」を持って生きるのは大変幸せなことです。知人に心理学者がいらっしゃいます。「ストレス学説」で有名なハンスセリエ氏のお弟子さんです。

その方は、使命を「何者から遣わされた命」とも読めると言われています。しかし、能動的な意味において「自ら使う命」とも読めます。英語で言うと、「ミッション」です。経営においては「ミッション経営」になります。

これは理念経営およびビジョン経営というものにつながります。そのためには、目的・ビジョン・使命感・セルフイメージが必要です。この中で、私が一番大事だと思うものがあります。それは、セルフイメージで、自己イメージとも言います。

ネットで検索してみますと、「自分自身に対するイメージや認識、自己評価のことを指し、自分の能力、性格、外見、価値観など、自分がどのような人間であるかという全体像を指します」とあります。しかしながら自分自身を知ること、自分自身を正しく評価することはとても難しいことです。

私を含め、ほとんどの人間は自分のことが分かっていないとも言えそうなのです。経営コンサルタントの神様と言われるドラッカー先生は次のように言われています。「汝自身を知れ」と。とはいうものの汝自身を知ることは、一生を通して成し遂げることができるかどうか分かりません。

一方で汝自身を知るのは困難なことであるが、「唯一、自分の使った時間だけは知ることができる」としています。私の使命の定義は、「最も自分が得意なことで、世の中に最も貢献する」です。ドラッカー先生は次のようにも言われています。

「われわれは、できることの何かで成果を上げる」成果を上げる、何かをなすためには、自分ができることは何かを考えることです。会社に例えますと、GMという会社はマネジメントが得意です。そして、他社を買収することによって立て直しを行い、成長していきました。

エジソンが設立したGE(ゼネラル・エレクトリック社)は事業の核となる技術、発明が得意です。そして、多くの事業を起こして成長していきました。ところが、GEが他社を買収してもうまくいかないのです。このように、自社は何ができるかを考えた上で、それを強みにしていくと巨大な企業に成長します。

結論を言えば、未来に何をなすべきかを考える時には自分は誰なのかを考える必要があるのです。もう少し言うと、自分は人を不幸にしても目的を達成するのか。あるいは、自分が不幸になっても、辛抱しても、耐えてでも相手を幸せにするのか。自分も幸せ、相手も幸せ、社会も幸せという考え方なのか。

人を不幸にしてまでも何かを成し遂げることは、悪魔に魂を売り渡すことになりそうです。自分が不幸でも相手が幸せであれば良いとする考え方があります。この考え方でいくと、会社は利益が出なくなることが多いのです。

基本は、「私がもうかる、相手ももうかる」という、ウィンウィンの考え方が最上であると考えます。二宮尊徳は、「経済があって道徳がないのは犯罪」、「道徳があって経済がないのは寝言」と言われています。さぁ、あなたは犯罪の道を行くか、寝言の道を行くか、あるいは王道を行きますか?

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